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弁護士とんぐうの弁論準備

裁判例のメモとか。

はじめに

本ブログをご覧いただきありがとうございます。 本ブログは、僕が近時の裁判例の検討をまとめるために開設したものです。 雑感を書き散らした程度ですので、ブログの記事や記載内容をなにかに引用したりすると、恥をかきます(主に僕が)。 コメント欄に何か…

嫡出推定を受けた子について,DNA鑑定で生物学上の父子関係がないと判明した場合の親子関係不存在の訴えについて

最高裁平成26年7月17日判決(第一小法廷) 【事案の概要】 Y(父親)はX(子)の母Aと平成11年頃婚姻した。AはB(浮気相手)と平成20年頃から交際するようになったが,Yとの同居を継続していた。平成21年にAはXを出産した。YはAから,…

警察官による取り調べが不当な態様であったとして,損害賠償が認められた事例

【事案の概要】 傷害事件の被疑者として,任意で(つまり逮捕されずに)取り調べを受けていた原告が,警察官から,恫喝・脅迫的,あるいは侮蔑的な言葉をかけられ,指紋の押捺の強要や調書の記載内容の訂正を無視するなど,不当な取り調べを受けたとして損害…

自動車を用いた連続窃盗等事件について,GPSを利用して行われた捜査について,令状がなく行われた強制処分であり,得えられた証拠等は証拠能力無しとした事例

【事案の概要】 警察は,当時多発していた窃盗事件について,そのうちの一つは現認しており,被告人及び共犯者の逮捕自体は可能な状態であったが,連続窃盗事件であり,事案の全容を確認しつつさらに客観的な証拠を収集しようと考え,内偵捜査を継続した。 …

職務質問を受けた者の呼出に応じて現場に臨場した弁護士が,職務質問に応じない旨明確に示しているのに,これを無視する形で行われた有形力の行使が任意捜査の限界を超える違法とされた事例

東京高裁平成27年10月8日判決 【事案の概要】 被告人は,午後7時7分頃,職務質問を受けたが,氏名を名乗らず,所持品検査の求めにも応じなかった。その後,警察官らと共にローソンに移動したが,この間も,警察官らは被告人の移動を,身体を押すなり…

保険代理店で活動していた原告が給与を不当に下げられ退職に追い込まれたが,解雇とは判断できず,給与減額の慰謝料のみ認めた事案

【事案の概要】 原告は,個人で三井住友海上火災保険株式会社の代理店を営んでいたが,その後代理店を廃業し,被告会社に入社した。 その際,代理店業を営んでいた頃の顧客を持ち込むことにより,被告会社の営業にも寄与したが,被告会社はこの契約を奪取し…

「シャンパンタワー」という商標は認められなかった事例

【知財高裁平成24年12月19日判決】 判例タイムズ1395号掲載 【事案の概要】 原告は「シャンパンタワー」という商標を登録した者であるが、同商標登録について特許庁が無効審決をしたため、その取消を求めた事案である。 【判決要旨】 請求棄却。 …

高齢者が証券会社を通じて行った外国投資信託等の取引について、適合性原則違反がないとされた事例

【東京地裁平成23年5月25日判決】 判例タイムズ1395号掲載 【事案の概要】 原告は昭和9年生まれの女性で、昭和57年ころまでに、被告証券会社との取引を開始した。平成18年ころから被告の勧誘により、外貨建債券、外貨建仕組債、外国投資信託、…

基本給14万、成果給13万との労働契約を締結した労働者について、時間外労働賃金の請求が認められた事例

【京都地裁平成24年10月16日判決】 判例タイムズ1395号掲載 【事案の概要】 被告に雇用されていた原告が、被告に対し、時間外手当等を請求した事案。 被告は冠婚葬祭やホテル業を行う会社であり、原告は被告が経営するホテルのフロント担当として勤…

女子生徒との交際を理由とする県立高校教師に対する免職処分が取り消された事例

【高知地裁平成24年12月7日判決】 判例タイムズ1394号掲載 【事案の概要】 原告は高校教師であるが、女子生徒と合意の上で交際を開始し、複数回自宅に宿泊させ、他の生徒の個人情報を漏らしたり、上司から関係を問われた際に虚偽説明をしたなどのこ…

固定資産評価額の決定が違法となる場合について

【最高裁平成25年7月12日判決】 判例タイムズ1394号掲載 【事案の概要】 地主が土地課税台帳に登録された土地の価格を不服として審査請求、取消訴訟を提起した事案。 【判決要旨】 破棄差し戻し。 本件土地の時価は登録価格を上回るから、価格の決…

ジェイコム株式誤発注事件(控訴審)

【東京高裁平成25年7月24日判決】 判例タイムズ1394号掲載 【事案の概要】 みずほ証券が、61万円で1株発注しようとして誤って1円で61万株発注した。その後取消注文をしたが、東京証券取引所のシステム不具合により処理されず、東証が売買停止…

さいころステーキによる食中毒事故について、ステーキチェーン店から食肉製造会社への損害賠償請求

【東京地裁平成24年11月30日判決】 判例タイムズ1393号掲載 【事案の概要】 ペッパーランチを提供する原告は、高温に熱した鉄板の上に生肉等をのせた状態で提供し、顧客が好みの焼き加減でこれを食べるというサービスを提供してきたが、成形結着肉…

土地の使用借権の時効取得が認められた事例

【東京高裁平成25年9月27日判決】 判例タイムズ1393号掲載 【事案の概要】 AとBは兄弟である。Aは昭和32年に本件建物を、Bは昭和43年にその敷地である本件土地を取得した。 Aは平成5年に死亡してYが相続し、Bは平成7年に死亡してXら…

高校1年生が柔道の練習中に急性硬膜下血腫を発症した事故について顧問教諭の過失が認められた事例

【東京地裁平成25年7月3日判決】 判例タイムズ1393号掲載 【事案の概要】 柔道部在籍の原告が、試合前の練習において部員に投げられた際、急性硬膜下血腫を発症し、寝たきり状態となる事故が発生した。 原告は発症の17日前、練習で脳しんとうを起…

八百長力士を解雇したことが有効であるとされた事例

【東京地裁平成24年5月24日判決】 判例タイムズ1393号掲載 【事案の概要】 故意による無気力相撲を行った力士に対し、相撲協会が解雇したところ、当該力士が解雇無効を主張した事案。 【判決要旨】 請求棄却。 原告力士が無気力相撲を行ったことは…

不起訴にした少年事件を成人後に公訴提起した事件

【最高裁平成25年6月18日判決】 判例タイムズ1392号掲載 【事案の概要】 16歳の少年Aが、少年Bを乗せて原付を飲酒運転していたが、歩道縁石に接触した際に少年Bが路上に落ちて高次脳機能障害の後遺症を伴う傷害を負わせた事件において、被害者…

電子ブレーカ事件

【大阪地裁平成24年9月13日判決】 判例タイムズ1392号掲載 【事案の概要】 電気用品安全法所定の検査を受けていないにも関わらず、PSE表示をして電子ブレーカを販売するY社に対し、品質等の誤認惹起行為にあたるとして、競合メーカーのX社が販…

柔道の練習中の事故について顧問に過失が認められなかった事例

【横浜地裁平成25年2月15日判決】 判例タイムズ1390号掲載 【事案の概要】 柔道部在籍の原告が、試合前の練習において部員に投げられた際、急性硬膜下血腫を発症し、寝たきり状態となる事故が発生した。 原告は17日前の練習で脳しんとうを起こし…

免責を得るためだけの破産申立が許容された例

【東京高裁平成25年3月19日決定】 判例タイムズ1390号掲載 【事案の概要】 過去に破産手続を申立てたが、その際には免責許可申立をしなかったため免責を受けられなかった破産者が、債権者から執拗に督促され、動産執行まで受けたため、再度破産申立…

やりすぎた弁護士の例?

【東京地裁平成24年7月9日判決】 判例タイムズ1389号掲載 【事案の概要】 交通事故で死亡した被害者の相続人らの代理人弁護士が、被害者の死亡は医療過誤による部分もあるとして、医療機関に対しても損害賠償を請求し、示談を成立させ、ついで病院か…

耐震強度不足を見逃した指定確認検査機関に対する損害賠償請求は認められたが、地方公共団体に対する請求は認められなかった事例

【横浜地裁平成24年1月31日判決】 判例タイムズ1389号掲載 【事案の概要】 株式会社ヒューザーが分譲したマンションを購入した原告らが、マンションには耐震強度不足の瑕疵があるとして、建築確認を行った指定確認検査機関及び横浜市、設計を行った…

林間学校中に小5生徒が宿泊施設で転落したのは引率教員に過失があるとされた事例

【大阪地裁平成24年11月7日判決】 判例タイムズ1388号掲載 【事案の概要】 被告東大阪市が主催する林間学舎に参加していた小学校5年生の女子児童Xが、民宿の2階の部屋内で、他の児童らと鬼ごっこをして遊んでいたときに、部屋の出窓のカウンター…

預金口座についての弁護士会照会に対する報告義務が認められた事例

【東京地裁平成24年11月26日判決】 判例タイムズ1388号掲載 【事案の概要】 Xは、Aに対する債務名義を有しており、これについてAの銀行預金に対して差押をしたが、残高がなく、その他把握できたAの財産すべてについて各種強制執行を行ったがい…

自転車事故を起こした未成年とその保護者の責任

【大阪高裁平成23年8月26日判決】 判例タイムズ1387号掲載 【事案の概要】 自宅付近の路上に立っていた85歳のXが、14歳のYが運転する自転車に衝突され、後遺障害を負ったとして、Y及びその両親に損害賠償を求めた事案。1審では両親の責任が…

弁護士会の役員として参加した懇親会費用を経費として算入できるか

【東京高裁平成24年9月19日判決】 判例タイムズ1387号掲載 【事案の概要】 Xは、弁護士業を営んで事業所得を得ているものであるが、弁護士会や日弁連の役員等も務めていた。Xはこれら弁護士会等の行事に伴う懇親会に出席し、その際に飲食費等を支…

久々の更新

ちょいと本業が忙しく、判例タイムズを読む余裕がありませなんだ。久々の更新です。

他人の犬の死を悼む

はてなサービスのマスコット犬、通称「会長」ことしなもん氏が亡くなったそうだ。 わたし自身、しなもんブログの愛読者でもあったし、実家で飼っているコーギーも高齢化していることもあり、まるで愛犬の死のプレ体験のようだった。お悔やみを申し上げたい。

差押債権の特定

【最高裁平成24年7月24日判決】 平成24年度重要判例解説掲載 【事案の概要】 差し押さえるべき債権の範囲として、普通預金債権のうち差押命令送達時に存在する預金と同日を含む1年が経過するまでに受け入れた金員によって構成される部分、とする差し…

ケンコーコム判決

【最高裁平成25年1月11日判決】 判例タイムズ1386号掲載 【事案の概要】 厚労省は、薬事法を改正する法案を作成し、平成18年3月に内閣から国会に提出された。同法案の作成にあたっては、検討部会において、対面販売を原則とすることなどを基本方…

債務名義があっても仮差押できるとした事例

【東京高裁平成24年11月29日決定】 判例タイムズ1386号掲載 【事案の概要】 XはAの破産管財人であるが、AはYに対し金銭債権を有しており、これについて執行認諾文言付き公正証書を作成していた。そこでXがYに対し、債権執行を行うべく、Yの…

連帯保証契約が銀行担当者の虚偽を含む説明によりなされたものであり無効とされた事案

【東京高裁平成24年5月24日】 判例タイムズ1385号掲載 【事案の概要】 Aは、B銀行から4.5億円の借り入れをして、商業ビルを購入した。このとき、Aの兄である控訴人は、Aの借入金のうち2.5億円について連帯保証した。 この連帯保証契約の…

公務員による政治的文書配布が有罪と認められなかった事例

【最高裁平成24年12月7日】 判例タイムズ1385号掲載 【事案の概要】 厚生労働省職員である被告人が、衆議院選挙に際し、支持政党のため、同党の機関紙や政治的目的を有する文書を、数十箇所の郵便ポスト等に配布したことから、国家公務員法違反で起…

子の引渡につき必要性を厳格に解した事例

【東京高裁平成24年10月18日】 判例タイムズ1383号掲載 【事案の概要】 当事者らは、平成19年ころから婚姻し、翌年長男をもうけ、マイホームも築いた夫婦であったが、妻が署名押印した離婚届を置いて、長男を連れて実家に戻った。 2か月後、夫…

児童ポルノ画像へのリンクURL掲示行為が公然陳列にあたるとの判断が維持された事例

【最高裁平成24年7月9日】 判例タイムス1383号掲載 【事案の概要】 被告人は、自身が運営していたウェブサイトに、第三者が設置したハードディスクに記憶された(他のインターネット上の掲示板に貼り付けられていた)児童ポルノ画像へのURLを貼り…

権利能力なき社団が「消費者」に該当すると判断された事例

【東京地裁平成23年11月17日判決】 判例タイムス1380号搭載 【事案の概要】 大学のラグビークラブチームが、合宿のため宿泊予約をしていたが、チーム員の一部が新型インフルエンザに罹患したため、宿泊前日に予約を取り消したところ、宿から取消料…