弁護士とんぐうの弁論準備

裁判例のメモとか。

2017-03-23から1日間の記事一覧

嫡出推定を受けた子について,DNA鑑定で生物学上の父子関係がないと判明した場合の親子関係不存在の訴えについて

最高裁平成26年7月17日判決(第一小法廷) 【事案の概要】 Y(父親)はX(子)の母Aと平成11年頃婚姻した。AはB(浮気相手)と平成20年頃から交際するようになったが,Yとの同居を継続していた。平成21年にAはXを出産した。YはAから,…

警察官による取り調べが不当な態様であったとして,損害賠償が認められた事例

【事案の概要】 傷害事件の被疑者として,任意で(つまり逮捕されずに)取り調べを受けていた原告が,警察官から,恫喝・脅迫的,あるいは侮蔑的な言葉をかけられ,指紋の押捺の強要や調書の記載内容の訂正を無視するなど,不当な取り調べを受けたとして損害…

自動車を用いた連続窃盗等事件について,GPSを利用して行われた捜査について,令状がなく行われた強制処分であり,得えられた証拠等は証拠能力無しとした事例

【事案の概要】 警察は,当時多発していた窃盗事件について,そのうちの一つは現認しており,被告人及び共犯者の逮捕自体は可能な状態であったが,連続窃盗事件であり,事案の全容を確認しつつさらに客観的な証拠を収集しようと考え,内偵捜査を継続した。 …

職務質問を受けた者の呼出に応じて現場に臨場した弁護士が,職務質問に応じない旨明確に示しているのに,これを無視する形で行われた有形力の行使が任意捜査の限界を超える違法とされた事例

東京高裁平成27年10月8日判決 【事案の概要】 被告人は,午後7時7分頃,職務質問を受けたが,氏名を名乗らず,所持品検査の求めにも応じなかった。その後,警察官らと共にローソンに移動したが,この間も,警察官らは被告人の移動を,身体を押すなり…

保険代理店で活動していた原告が給与を不当に下げられ退職に追い込まれたが,解雇とは判断できず,給与減額の慰謝料のみ認めた事案

【事案の概要】 原告は,個人で三井住友海上火災保険株式会社の代理店を営んでいたが,その後代理店を廃業し,被告会社に入社した。 その際,代理店業を営んでいた頃の顧客を持ち込むことにより,被告会社の営業にも寄与したが,被告会社はこの契約を奪取し…