電子ブレーカ事件
【大阪地裁平成24年9月13日判決】
判例タイムズ1392号掲載
【事案の概要】
電気用品安全法所定の検査を受けていないにも関わらず、PSE表示をして電子ブレーカを販売するY社に対し、品質等の誤認惹起行為にあたるとして、競合メーカーのX社が販売の差止めや損害賠償を求めた事件。
【判決要旨】
請求棄却。
電子ブレーカは事業者が導入することが予定されている製品で、Y社はその広告において、電気代が大幅に下がるなどと訴求するも、PSEマークへの言及はなく、製品の写真にもPSE表示は極めて小さくしか写っていない。
Y社製品は一旦PSEマークを取得したものの、途中で製品仕様を変えたため、改めて検査を受ける必要性が出たが、Y社はこれを認識しないまま販売を続けてきたものであって、監督官庁からは注意を受けたものの、改善命令等を受けることはなかった。
以上の事情等からすると、形式的には不正競争行為に当たるとしても、これによってX社が販売機会を喪失したとまでは認められない。
【解説】
PSEマークをつけずに売ったのにおとがめなしとは、まっとうな会社が可哀想やんか! と思って読み始めたが、そんな悪質な話でもなさそうでした。ま、忘れてただけみたいな話があるかい、というX社の憤りはもっともであるが。
不正競争防止法に関係しそうだな、という法律相談はたまに受けるけど、勝てるとはっきり言えないケースが多いのよね。