弁護士とんぐうの弁論準備

裁判例のメモとか。

債務名義があっても仮差押できるとした事例

【東京高裁平成24年11月29日決定】 判例タイムズ1386号掲載 【事案の概要】 XはAの破産管財人であるが、AはYに対し金銭債権を有しており、これについて執行認諾文言付き公正証書を作成していた。そこでXがYに対し、債権執行を行うべく、Yの…

連帯保証契約が銀行担当者の虚偽を含む説明によりなされたものであり無効とされた事案

【東京高裁平成24年5月24日】 判例タイムズ1385号掲載 【事案の概要】 Aは、B銀行から4.5億円の借り入れをして、商業ビルを購入した。このとき、Aの兄である控訴人は、Aの借入金のうち2.5億円について連帯保証した。 この連帯保証契約の…

公務員による政治的文書配布が有罪と認められなかった事例

【最高裁平成24年12月7日】 判例タイムズ1385号掲載 【事案の概要】 厚生労働省職員である被告人が、衆議院選挙に際し、支持政党のため、同党の機関紙や政治的目的を有する文書を、数十箇所の郵便ポスト等に配布したことから、国家公務員法違反で起…

子の引渡につき必要性を厳格に解した事例

【東京高裁平成24年10月18日】 判例タイムズ1383号掲載 【事案の概要】 当事者らは、平成19年ころから婚姻し、翌年長男をもうけ、マイホームも築いた夫婦であったが、妻が署名押印した離婚届を置いて、長男を連れて実家に戻った。 2か月後、夫…

児童ポルノ画像へのリンクURL掲示行為が公然陳列にあたるとの判断が維持された事例

【最高裁平成24年7月9日】 判例タイムス1383号掲載 【事案の概要】 被告人は、自身が運営していたウェブサイトに、第三者が設置したハードディスクに記憶された(他のインターネット上の掲示板に貼り付けられていた)児童ポルノ画像へのURLを貼り…

権利能力なき社団が「消費者」に該当すると判断された事例

【東京地裁平成23年11月17日判決】 判例タイムス1380号搭載 【事案の概要】 大学のラグビークラブチームが、合宿のため宿泊予約をしていたが、チーム員の一部が新型インフルエンザに罹患したため、宿泊前日に予約を取り消したところ、宿から取消料…