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弁護士とんぐうの弁論準備

裁判例のメモとか。

基本給14万、成果給13万との労働契約を締結した労働者について、時間外労働賃金の請求が認められた事例

【京都地裁平成24年10月16日判決】

 判例タイムズ1395号掲載

 

【事案の概要】

 被告に雇用されていた原告が、被告に対し、時間外手当等を請求した事案。

 被告は冠婚葬祭やホテル業を行う会社であり、原告は被告が経営するホテルのフロント担当として勤務していた。給与は基本給14万円、成果給13万円とされ、宿直1回あたり3000円の手当てが支給されていた。

  被告は、同賃金体系について、業務を効率的に行って労働時間を短縮すれば、本来の時間外割増賃金より多い成果給を得ることができるのであり、労使双方のインセンティブに資する。また、実際の労働時間による割増賃金が成果給を超えれば、それは支払われるのであり、労働者に不利益はない、と反論していた。

 

【判決要旨】

 被告の賃金体系は、1日少なくとも5時間を超える時間外労働をすることを前提とした賃金体系になっている。そして、労働者の大幅な裁量に任された業務内容ではなく、ホテルのフロント業務という、労働時間と成果がほとんど比例する業務である。したがって、基本給と成果給の割り振りが合理性を欠くものというほかない。

 なお実際に時間給を計算すると、基本給部分約890円、成果給部分約1800円となる。時間外割増手当を基本給の25%を超えて支払うこと自体は悪くないとして、あまりにバランスを欠いており、成果給の中に基本給に相当する部分を含んでいるものと解さざるをえない。

 結局被告の賃金体系は、基本給が殆ど最低賃金であり、よほどの長時間労働をしない限り定額の時間外手当以外発生しないことになっている。

 したがって、被告は時間外手当等を含め原告に対し約280万円を支払え。

 

【解説】

 成果主義成果主義というが、成果を買いたいなら外注しましょう。

 よく、日中は外勤営業に出て、夕方から事務所内で見積書とかを作成し、毎日3~5時間と残業するタイプの会社あるじゃないですか。私の昔の職場もそうだったんだけど。会社側は、「営業手当でカバーされているから残業代は払う契約ではない。」なんて言いますが、通りませんからね。カーディーラーや不動産会社を辞めるときは、時間外手当を請求できないか、一度チェックしてみることをお勧めします。